新しい日本語教授法 JAMPsystem!

2018年夏から、台風先生のTAとして日本語教育に奮闘しているIkumiが実際にアメリカの大学での日本語教育やアメリカでの刺激的な生活を通して考えたことや学んだ事などを記録していきます。

学生観察日記🌸5週目<JUMP systemは基礎>

こんにちは!

 

 

 

1年生:てフォーム定着してきたか。。?

2年生:(漢字の宿題から)学生の将来の夢

アッパー:新しいエッセイ

 

 

1年生:てフォーム定着してきたか?

1年生は、direct style(informal)を勉強して約1ヶ月が経ちました。

徹底して、活用やてフォームの勉強をしているので、

今までゆっくりゆっくり考えながら、言っていたのが

少しずつ早くなってきました。

システムが見えていなかった学生にもヘルプセッションで

丁寧に丁寧に確認したので、トンチンカンな答えを言うことがなくなってきました。

 

やはり、システムがあるからそれに従うだけで

学生もミステイクに自分で気づけるし、自分で直すこともできる。

素晴らしいシステムだなと思います。

 

木曜日の私のドリルクラスには、他大学で日本文化を教えている方が

見学に来てくれました。

フィードバックを頂いたのでシェアします。

 

✔︎想像していたより厳しかった。(笑)

今まで見たことのある言語のクラスは学習者の自信を失わせないように、というか、とにかく話させることにフォーカスしているから、ミステイクしても直していなかった。

でも、このクラスでは、ミステイクは逃さず、一つ一つ丁寧に直させるし、

しかも教師がヒントをあまり与えていないのに、学生が自分で直せていてすごかった。

✔︎学生が積極的だった

 

確かに、私が大学生の頃の英語のオーラルコミュニケーションクラスも、

話すだけ話させて、グラマーのミステイクはみんなしていたのに

教師は全然直していませんでした。

いろんな方法があるので、一概にこれが良いとは言えませんが、

私はミステイクは徹底的に指摘して、直させるというのは

すごく大事なことだと思っています。

なぜなら、ミステイクしたまま覚えてしまえば悪いくせになってしまい、

後々直すのが大変、もしくは自分がミステイクしていることにすら気づかないからです。

初級のうちから、ミステイクは徹底して直す。

それをし続けているので、二年生やアッパークラスの学生でも

全く何を言っているのか分からないという学生はいないし、

みんなグラマーをコントロールしながら話していると思います。

 

特に今、てフォームを使った文を言うために、

学生がグラマーにコントロールされていますが、

internalize(体感すれば、体に入れば)

学生がグラマーがコントロールできるようになるはずです。

 

それが母語話者がしていることなので、

同じようにできるよう、初級から徹底してミステイクを直させるのは良いことだと思います。

 

学生も、ミステイクしたから恥ずかしいという気持ちより、

自分が話せるようになっていることを実感しているから

ついてくるのだと思います。

 

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一年生のドリルクラス

 

2年生:(漢字の宿題から)学生の将来の夢

2年生はまた新しいレッスンを勉強し始めました。

自動詞、他動詞です。

私も100%しっかり理解できているとは思えないので、

学生もミステイクや先生のレクチャーから学んでいこうと思います。

 

2年生は、リーディングの宿題がありました。

短いエッセイを読んで、その内容について日本語で聞かれ、

日本語で答え、最後に自分のことについても答えるというような宿題プリントでした。

 

短いエッセイは、将来の夢についてでした。

学生の将来の夢には、

 

数学者、会計士、データサイエンティスト、英語の先生、

研究家、全然わかりません

 

などがありました。

学者や研究家、全然分からないなどその学生らしい答えがたくさんありました。

データサイエンティストなんて、聞いたことがありませんでしたが、ウィキペディアでは、以下のようにありました。

 

データサイエンス(data science)とは、データを用いて新たな科学的および社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチのことであり、その中でデータを扱う手法である情報科学統計学アルゴリズムなどを横断的に扱う。

ウィキペディア参考)

 

要は、何かする時にデータを分析して、結果を出そうとするやり方で、

データ分析をする人のことかな???と思います。

 

まさに、システムが分かってないと分析はできないですね。

 

面白いことを思い出したのですが、

JUMP systemもシステムなので、

頭の中でシステムが整理されている人はどんどん

伸びていきます。

特に、専攻がコンピューターサイエンスや数学、会計学の学生は

他の科目を専攻している学生に比べて、理解が早いです。

この学生もシステムが頭の中にきちっと入っています。

憶測ですが、

コンピューターサイエンスや数学、会計学などの分野は、

システムがきちっとあって、当てはめていく、

数学も公式があって当てはめていく、(そんな簡単じゃないかもしれませんが)

という論理的な学問だと思います。

すでに論理的思考が得意な学生だから、

きれいに整理された論理的なJUMP systemを理解するのが

早いんだと思います。。

 

 

アッパー:新しいエッセイ

アッパークラスは、学生それぞれの作文発表が終わり

新しいエッセイに入りました。

いつものエッセイは鈴木先生が書くのですが、

今回のは鈴木先生の友人が書いたものです。

その方は日本語を教えたことがなく、

自分の書いたエッセイが日本語を勉強している学生に

読まれることなど全然知らずに、書いたそうです。

 

だから文法がどうのこうの考えずに、書いています。

 

いつもとは違ったエッセイに学生は気づいたようで、

登場人物の気持ちがあまり描かれていない、

どこか旅行へ行った人の日記みたいなどと指摘していました。

確かに、先生は登場人物の気持ちをメインにかくので、

今回のエッセイのような、どこか小説っぽい、

読んでて周りの景色が浮かんでくるような書き方はしません。

 

学生は、日本語で描かれているのにもかかわらず

こういう変化に気づいていて、面白いなと思いました。

 

今週のクラスは、分からないところの質問などで、

読んでも意味がわからないところ、文法的にどうなっているのか理解できないところなどの質問を先生が答える日でした。

 

もちろん、スタイリスティックに書いているので、

文章として見るとシステム通りではないですが、

オリジナルの文は全てJUMP systemで解説できると先生は言っていました。

 

オリジナルのセンテンスはこれだよ。

でも、スタイリスティックに書いているから、こうなるんだよ

と説明すると学生は納得していました。

 

 

初級でも中級でも上級でも、

やはり土台となるシステムは同じ。

JUMP systemは日本語を教える上でも学ぶ上でも

日本語の基礎になっているので、出会えて良かったと思えた一週間でした♡