新しい日本語教授法 JAMPsystem!

2018年夏から、台風先生のTAとして日本語教育に奮闘しているIkumiが実際にアメリカの大学での日本語教育やアメリカでの刺激的な生活を通して考えたことや学んだ事などを記録していきます。

学生観察日記🌸4週目<言語を教えるとは>

2月最初の週、新学期始まって4週目のクラスも終わりました。

2月なのに、リッチモンドでは、20度を超える日もあり、

雪だった去年とのギャップにびっくりしてしまいました。

(沖縄に帰る前にもう一度、あの一面真っ白で幻想的な景色が見たい。。)

 

f:id:ikuel:20200210125428j:plain

春に咲くはずの花がもう咲いちゃっています。。

 

では早速、学生観察をまとめます!

 

1年生:動詞のdirect style (informal)の活用に苦戦してる人はなかなか進めない

2年生:ワークシートで既習文法を復習したら、ドリルがしやすくなった気が。。。

アッパークラス:「私と親」という題で作文発表

 

1年生:動詞のdirect style (informal)の活用に苦戦してる人はなかなか進めない

一年生は、新学期が始まってからdirect style (informal)を勉強しています。

direct style (informal)を勉強するということは、

辞書形を覚えて、活用ができるようにすることだと考えています。

活用とは、

する→しない→した→しなかった

というように形を変えることです。

それができて、

 

食べてください」(リスエスト)

座っています」(状態)

「右にいて、メガネをかけています」(接続、and)

 

というように、言えることが広がっていきます。

4週目のクラスでは、新しいレッスンを勉強し始めました。

そこで出てきたのが、上にあげたように、

状態や接続を表すときに使う文法です。

 

これらは、てフォームが作れないとそもそも成立しません。

てフォームを作るためには、活用ができないといけません。

だから、てフォームってとても大切なんです。

 

もうすでに、「てフォーム+います」を勉強しているので、

てフォームを作るのでつまずいていたら、

大変なことになってしまいます。

さらに、てフォームのことだけじゃなく、

先週勉強した「direct style (informal) + と思います」

などを混ぜながらドリルするので、学生はすごく大変だと思います。

しかし、実際の会話でその文法だけを使って会話するというのは

ほぼありえないので、初級のうちから既習文法を入れながら

流れのある会話をする訓練をするのは理にかなっていると思います。

 

2年生:ワークシートで既習文法を復習したら、ドリルがしやすくなった気が。。。

二年生は、新しい文法を勉強しているので、整理ができずに

こんがらがっていたと思います。

しかし、復習を兼ねたワークシートの時間を設けたので、

組み立てることできるようになったおかげか

期待している答えがスムーズに出てきて、ドリルがやりやすかったです。

 

ドリルで気づいたことですが、

2年生になってくると、ある程度難しい文法や長い文を使って

会話するので、会話の準備をしている時も、

「新しい文法を使わせよう!」「出させよう!」という気持ちになってしまいます。

でも、それでは上手く思いつかないし、

思いついたとしても、不自然な会話になってしまいます。

実際の会話でも、その文法だけを使って会話するというのはないので、

やっぱり、流れを意識すると、今まで習って来たことを

復習しながら、新しいことを入れていくのがメイクセンスだと気付きました。

 

先生には、前から「新しいこと(文法など)もするけど、尚且つ、

今までに習って来たことを入れながら会話する」と言われていましたが、

最近やっとその意味が分かって来た/体感することができたと思います。

 

アッパークラス:「私と親」という題で作文発表

アッパークラスは、エッセイが終わったので、

それに関連して、「私と親」というタイトルで

作文発表がありました。

自由に何でも書いていい作文ですが、学生はやはり

親との関係性や過去を振り返って考えたことを

A4用紙、1枚くらいにまとめていました。

 

前にも言ったと思いますが、内容が本当にすばらしいです。

私が英語でこんなこと書けないと思ってしまうほど、

深い考えで、丁寧にまとめられています。

 

紹介したいことはたくさんあるのですが、

一つ例を挙げるとすれば、

両親が自分でお店を出している学生の話です。

幼い頃は、両親が毎日忙しくいていて、働いているのが当たり前の生活。

私への愛や私との時間よりもお店のことばっかりで、不満だったそうですが、

成長するにつれ、それが私の為だと理解できたそうです。

毎日一生懸命、働いている両親からは、

「挑戦することに怖がらなくていい!」

ということを学び、毎日一生懸命に働いている両親を

今は尊敬しているそうです。

 

親への感謝の気持ちや尊敬をこういう課題を通して

改めて考えて、言葉にして、実感していくことも素敵ですね。

 

 

今週は、

 

初級の一年生→文の組み立てができないと理解できない

中級の二年生→ただ文を教えるだけではなく、

どんな流れや状況で使うのか体感させること、

上級のアッパークラス→自分の考えをまとめて言葉にする

 

という、言語を教えるとはどういうことなのか、

三クラスを通して考えさせられました。

 

また一週間、張り切っていきましょう!