新しい日本語教授法 JAMPsystem!

2018年夏から、台風先生のTAとして日本語教育に奮闘しているIkumiが実際にアメリカの大学での日本語教育やアメリカでの刺激的な生活を通して考えたことや学んだ事などを記録していきます。

学生観察日記🌸1週目

 

こんにちは!

新学期、1週目のクラスが終わりました〜!

学生は約1ヶ月の冬休みで勉強したことを綺麗さっぱり

忘れてしまっているかと思っていましたが、

そんなことなく、よかったです✨

(単語は忘れていましたが。。)

 

では早速、

一年生、二年生、アッパークラス、

それぞれの一週間をまとめます。

 

一年生:リビュー、期末試験ゴーオーバー

月曜日→新年の挨拶、前学期のリビューレクチャー

火曜日→期末試験のゴーオーバー

水曜日→前学期のリビューレクチャー

木曜日→リビュードリルクラス

 

鈴木先生が丁寧に、前学期の内容を復習しました。

JUMP Systemの理論で教えているので、

日本語の基本であるJUMP I、II、Ⅲを整理し、

前学期勉強したCore structureを復習しました。

 

木曜日は私がドリルクラスを担当しました。

そのクラスの見学に、フルブライト奨学金で来ているマレーシア語のTAが

来てくれて、フィードバックをくれたので紹介します。

 

・75分、ノンストップで学生と会話するのびっくり!

・ドリルクラスだから、PPTや黒板で何か絵を見せて、文章をリピートさせると思ってたのに、ずっと会話だけで75分も話していてびっくり!!

・私の話すスピードが早いのに、学生がそれについていけてるのがすごい

・学生がミステイクした時(特に助詞)の訂正の仕方が面白い

 

でした。

彼女が予想していたクラスと全く違ったみたいで、

残念ながら改善点を得ることはできませんでしたが、

興味を持ってくれ、また見たいと言ってくれました。

 

確かに、私もこのドリルクラスを初めて見たときは、

衝撃でした。

机の上に何も置かずに、会話だけでクラスをするとは

どういうことか??どうやってするのか?私にできるのか?

など、不安しかありませんでした。

 

ドリルクラスを言葉で説明するのは難しいので、

いつか動画か何かで紹介できればいいなと考えています。

 

 

二年生:リビュー、期末試験ゴーオーバー

月曜日→新年の挨拶、リビューレクチャー

火曜日→リビューレクチャー

水曜日→期末試験ゴーオーバー

木曜日→リビュードリルクラス

 

二年生もスケジュールは一年生と同じで、

前学期の復習と期末試験のリビューでした。

 

リビューレクチャーは大体、鈴木先生が質問して

学生が答えてというやり方でしています。

先生が聞いた質問は、

・日本語の述語はいくつあるか

・どうしてその三種類を知らなくちゃいけないのか

・Nominalの中には何と何があるか

・なNominalとadjectiveはどう見分けるのか

などです。

他にもたくさんありますが。。

 

JUMP Systemを知らない人にとっては????ですよね。

でもこの質問は、

日本語を勉強する上でとっても大切なことです。

 

どうしてその質問をするのか、

それを知っていることによって何ができるのか、

どうして知らなくちゃいけないのか、

JUMP Systemを勉強すれば答えが少しずつ見えて来て、

スティーブ・ジョブスじゃないですけど、

点と点が繋がるはずです。

多分、私はバラバラにあったたくさんの点が今、

少しずつ少しずつ隣同士がくっついてきているところでしょうか。笑

それともまだ点をたくさん作っているところでしょうか。

自分自身、どのくらいJUMP Systemを理解しているのか

分かりませんが、学生からの質問にすぐ答えられるようになったのは

間違いなく、JUMP Systemのおかげです。

 

学生の話に戻すと、、、

実は鈴木先生も私も試験のゴーオーバーの日が嫌いです。笑

鈴木先生は、朝ベットから起き上がれなくなる程、

心も体も重くなるそうです。

それはなぜか。

 

学生がいろいろチャレンジしてくるからです。

「この答えはどう訳せばいいのか」

「これはどうして間違っているのか」

とポイント(成績)の為に攻撃的になる傾向があります。

去年が特にそうでした。

「自分の勉強のためではなく試験のために勉強している」

という印象が強く、私も辛い思いをしたのを覚えています。

 

だから試験のゴーオーバーの日は、

好きじゃないのですが、今回の学生は全然攻撃的になることもなく、

何とかしてポイントを稼ごうという気持ちも見られず、

冷静に自分のミステイクに向き合っていました。

前学期のゴーオーバーもそうだったのですが、先生は

「多分、システムが見えてきたのかもしれないね」

と言っていました。

 

どういうことが起きているのか理解ができる。

だから、学生は自分のミステイクを受け入れることができる。

 

理路整然としている理論だからこそできることだと思います。

 

二年生の学習内容は、今学期ますます難しくなっていきます。

英語にない日本語を学んでいくので、訳が難しくなってきます。

が、全てはJUMP Systemで説明ができ、

Core structureのストレッチです。

私も気が抜けられない学期です。

 

アッパークラス:エッセイ、宿題①わからないところの質問

日本語の一年生、二年生の内容が終わった学生が

アッパークラスに行きます。

なので、短い人で日本語学習歴10ヶ月の人〜

長い人で4年目の学生もいて、

アッパークラスでも個人の差はありますが、

同じことをします。

 

アッパークラスではクラスの仕組みがあります。

毎回、4コマかけて一つのエッセイを勉強しますが、

流れは以下の通りです。

ちなみに、エッセイは鈴木先生が自分で書きます。

 

1時間目宿題:エッセイを読んでわからないところをまとめて先生に送る

クラスで:先生がみんなの質問に答える

 

2時間目宿題:エッセイに出てくる新しい単語やフレーズを使って短文を作る

クラスで:自分が書いた短文で自信がないのを黒板に書き、みんなにシェア

先生が文法的解説をしながら訂正する

 

3時間目宿題:エッセイについての質問に答える

クラスで:その質問についてディスカッション

 

4時間目:試験

 

 

このように一つのエッセイを4コマかけて勉強していきます。

アッパークラスは、早速、1時間目の授業をしました。

「エッセイを読んで、わからないところの質問」です。

 

このわからないところというのは、

文法的にどうなっているのかという質問や、

フレーズの意味を調べてもよく分からなかったから

解説をお願いします、というようなものです。

 

なので、ルールとして、自分で調べて分かることは

聞いてはいけません。

例えば、「目に余る行動」というのが学生が

分からなかったとします。

 

しかし、JUMP Ⅲ(修飾)で、

3. predicate direct-style + のNominalというのを

ルールとして唱っているので、

「行動」という名詞の前に

「余る」と動詞がdirect-styleであれば

間違いなく、JUMP Ⅲのsentence modifyです。

なので、自分で「余る」、「目に余る」というのを

調べれば答えが分かります。

 

他にも、「仕事をこなそうと努力する」

というのが分からなかったとします。

学生は「こなそう」が「こなす」から来ている

というのを自分で気付かなければいけません。

「こなそう」←「こなす」

これが分かれば、辞書形である「こなす」を調べれば

意味が理解できるはずです。

 

このように、アッパークラスでは、

自分で調べるスキルも持っていなくちゃいけません。

JUMP Systemがきちっと理解できている学生は、

自分で紐解いて謎解きができます。

 

システムとしてきっちり整理されているので、

学生はどんどん上手になっていくのだと思います。

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アッパークラスの授業*私も学習者がどこに疑問を持つのか考えながら受けています

 

 

 

長くなってしまいましたが、

今回はこれで終わります。

 

また、来週更新します✨

 

<予告>

なんと、一年生は来週からdirect-styleを学びます!

ということは、「〜と思います」などの複文が言えるようになり、

また言えることが増えてくるので、

会話がどんどん面白くなってくるはずです!

 

ではまた来週〜♪